カルドセプトはⅡになってから、大会でのブックのバリエーションが増えたと思います。今回も、見事に全てのブックの属性が分かれました。おそらく、各属性で最も強い方々が決勝に出るため、おのずと色が分かれるのではないかと勝手に想像しています。つまり、決勝に出る方々は既にその属性でのチャンプというわけです。もっとも今回は地属性ブックはいませんでした。その代わり、なんと、日本の大会ではあまり見なくなった大量焼殺系のブックが１人いました。しかも今回、護符なしマップなのに…です。この焼殺ブックの使い手ホラ氏が、今回の試合の行方を左右したと言えるでしょう。
ホラ氏を除く３人は、堅実なクリーチャーブックで、速攻で高額拠点を作って死守するタイプの戦略でした。各人戦闘に関しては強力なクリーチャーがそろっています。ギョンドイ君氏のガルーダやミルメコレオ、ＳＳ氏のキメラやコンジャラーから召喚されるバ＝アル、ピースメーカ氏のカロンやシーボンズなど、いずれも拠点を作られると戦闘では落とし難い面々です。

ところが、ホラ氏のブックは、テンペスト、カタストロフィ、スウォーム、メテオ、アースシェイカー…とスペルのみによって敵を排除する、ほぼスペルブックと言っていい構成のブックでした。これは残る３人にとっては意外なことだったのではないでしょうか。この手のブックに対して殆ど対策されていない（マスファンタズム、クレイアイドル、ジェイドアイドルなど…）ことから、それは推測できます。 ホラ氏は土地を殆ど取らずにこれら高額スペルを連発していきます。これをサポートしているのがコーンフォークでした。強力な敵に当てて自滅してもいいし、とりあえず配置しておけばテンペストなどで破壊されたときには魔力に変わり、出費を相殺してくれるわけです。また、身を守るためにはバリア系スペルも欠かせません。他の3人は当然の如くドレインマジックを装備しており、これを食らったら一気に転落ですから。その意味でも、ホラ氏のブックは攻守について練られていたと言えます。

結局今回はスペルメインのホラ氏に場を支配されてしまったため、各人本来の戦略を発揮できなかったのではないかと思います。試合後だから言えることですが、３人のうちの１人でも、スペルブック対策を持っていたら、試合の展開はかなり変わったのではないかと思います。特に私的には、序盤優勢だったＳＳ氏のブックにマスファンタズムが入っていたら（ケットシーやペリはアースシェイカー以外のスペルからは守られることになるため）、かなり優位に立てたのではないかと思います。もっとも、ブックは一枚変えただけで余計上手く動かなくなったりする可能性もあるので、単純に「これが入ってれば」なんてことは言えないんですけどね。また、ホラ氏はデザートストームを入れているので、マスファンタズムなどのスペルに対しても警戒はしていたのではないか、とも思います。

と、ホラ氏をベタ誉めしていたわけですが、実際に勝利したのは彼ではありませんでした。序盤から中盤にかけてはＳＳ氏がトップを独走。バ＝アルの高いＨＰとケットシーのスペル退避能力が効いていました。 しかし、中盤サドンデスが発動すると、ホラ氏は行動を活発化し、テンペストやスウォームを連発します。マップは焦土と化したわけですが、その中辛くも生き残ったレベル４ガルーダの所有者ギョンドイ君氏が、直後に１位に踊り出ました（つまり、ホラ氏が１位だったのはほんの僅かな期間だったのです）。
ホラ氏はアースシェイカーを使用して、ギョンドイ君氏を引きずり降ろそうとしますが叶わず、失った土地も取り戻したギョンドイ君氏１位のまま時間切れとなったのでした。

優勝したギョンドイ君氏、おめでとうございました！

画像は韓国語版のデータを日本語表示用に修正したデータのものです